Profile|Tomoko Maeda

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Tomoko Maeda

Jewelry Artist / Metalworker


 

自然と静けさに導かれるように、創作の深みに沈む

金属に触れた瞬間、心が静かになる。
火を入れ、叩き、磨く。
その一つひとつの工程の中で、思考や意図が削ぎ落とされ、
素材と、内なる静けさだけが残る。

私の創作の根には、日本の美意識があります。
琳派の構成力、侘び寂びの情緒、そして「間(ま)」や「余白」に宿る静けさ。
それらはすべて、私がジュエリーという小さな宇宙に込めたいと思う美のエッセンスです。

また、日本の工芸や美術史における「用の美」や、「物のあわれ」といった概念にも影響を受けています。
それらは、単なる装飾性ではなく、心と共鳴する静けさを作品に宿すための思想として、私の中に根づいています。

素材のありのままを受け入れ、変化を受け入れる創作姿勢は、諸行無常という仏教の思想にも通じます。
祈りのような気持ちで一つひとつを形にすること——それが私にとっての創作なのです。

ただ飾るためのものではなく、
身につける人の心に静かな波紋を広げる存在として。
そのようなジュエリーを目指して、日々、素材と対話しています。


経歴と背景

東京都出身。
東京藝術大学 美術学部 工芸科 彫金専攻卒業。
在学中から金属工芸に惹かれ、鍛金や彫金などの技法を学びながら、素材と向き合う姿勢を深める。

卒業後は個人作家として活動を開始。国内外で作品発表を行いながら、ジュエリーというミニマムな空間に物語と静けさを宿すことをテーマに創作を続けている。


創作への想い

宝石や真珠は、ただの装飾ではありません。
それぞれが自然の中で生まれた、かけがえのない存在。
そこに人の手で、命を吹き込むように仕立てること。
それが私の仕事です。

見えないところにこそ丁寧さを。
使う人が気づかなくても、ジュエリーはそれを記憶している。
だから、どんな小さな部分にも手を抜かない。
それが私のものづくりの姿勢です。


メッセージ

世界にひとつしかない素材に、
世界にひとりのあなたが出会う——
その“ご縁”をつなぐ、静けさを宿すジュエリーをお届けします。

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