
双子真珠と出会った日。——ご縁で生まれたジュエリーの始まり
あなたは、双子の真珠をご存じですか?
よく見る一粒の真珠ではなく、自然の中で偶然くっついて生まれた、ふたつの珠。
私と双子真珠の出会い、そしてジュエリーになるまでの物語をお話しします。
1. 初めての出会い──それは偶然のようで、必然だった
ある日、いつもアコヤ真珠を仕入れさせていただいている養殖業の方のもとを訪れました。
目的は、他の作品に使うためのアコヤ真珠の仕入れです。
話をしている中で、ふと思い出したように「そうだ、こんなのがあるよ」と、奥から取り出してきたケースを見せてくれました。
どんな真珠なんだろうと期待高まり覗き込見ました。
中には小さくて可愛いベビーパールたちが、まるで降り積もった粉雪のようにぎっしりと詰まっています。
けれども、それを見た私の反応がなんとも薄いのを見て、この真珠達の特別な所に気がついていないと察したのでしょう、粉雪をトレイの上に広げてくれました。
ケースを開けた瞬間、コロコロと転がり出てきたのは、一粒ではなく、二つの粒がピッタリと寄り添って、まるで雪だるまのような双子の真珠たち。
それを見た瞬間、私はそのかわいらしさに一目で心を奪われました。
2. 養殖職人さんから聞いた、双子真珠の誕生ストーリー
私がその双子真珠を手に取って見とれていると、職人さんがその誕生について話してくれました。
「アコヤ貝には複数の核を入れて真珠を育てるんだけど、長い年月海の中で育つ間に何かの拍子にふたつの核がくっついてしまうことがあるんだよ。
できれば一粒ずつ育ってくれた方がありがたいんだけど、こればかりは人の力ではどうにもできない。
逆に、くっつけようとしてもできない。不思議なものでね、ご縁がなければ生まれない珠なんだ。」
その言葉に、私は強く心を動かされました。
3. 「このご縁を、かたちにしたい」——デザインのはじまり
人の手でコントロールできないからこそ、価値がある。偶然のようでいて、必然のような出会い。
その想いをジュエリーとして形にしたいと思いました。
双子真珠にふさわしいテーマは「ご縁を結ぶ」。
その象徴として選んだモチーフは、リボン。
リボンの中心に双子真珠をそっとセットして、両脇にはきらりと輝く小さなダイヤモンドを添えました。
甘すぎず、けれどやさしくかわいらしく。大人の女性が日常で身につけられる上品な可愛さを目指しました。
4. 名をつけるということ——ご縁珠(GOENDAMA)の誕生
このジュエリーには、特別な名前をつけたいと思いました。
「ご縁」で生まれた双子真珠。
アコヤ貝という生き物が偶然くっつけたふたつの珠。
それを「ご縁珠(GOENDAMA)」と名付けました。
この名前は、私の中でこの出会いが偶然ではないことを示す証でもあり、これからも大切にしていく“縁”そのものです。
ご縁珠は、私の創作活動の中心にある「他にないもの」「唯一」の象徴です。
静かに寄り添う、ふたつの珠の物語
自然がつないだ、ご縁。
それは、ただの偶然ではなく祈りのような出会い。
ご縁珠リングが、あなたにとっても“ひとつの特別な出会い”になりますように。