~ 母から娘へ、そして孫へ受け継がれるジュエリー ~
ご紹介するジュエリーは、先日納品した ピンクゴールドのハーフエタニティリング。
“エタニティリング”というと、婚約指輪や結婚指輪のイメージが強いかもしれません。でも、もともとはもっと自由な意味を持っていたのです。“エタニティ”は「永遠」を象徴するため、婚約・結婚指輪として好まれるようになりました。
シンプルでありながら華やか、重ねづけにもぴったりなので、長く愛されるジュエリーとして選ばれてきました。
今回は特別な目的でつくった1本。20歳を迎えた娘さんへの、大切な贈りものとして制作しました。

ご依頼内容
今年二十歳になる娘さんのお母様からいただいたご相談はこうです:
「母から譲り受けたリングを使って、私と娘のリングをそれぞれ作りたい」
そのリングは、縦15 mm×横10 mmほどの カボションカットの翡翠(硬玉) を中心に、まわりにラウンドカットとバゲットカットのダイヤモンドがたくさんあしらわれた、どこかレトロな腰高スタイルでした。
このままではちょっとデザインが古いので、中央のヒスイはご依頼者様の普段使いのリングに、周りのダイヤモンドはお嬢様のリングに使ってリフォームをすることに。
デザインへの考え
オリジナルのリングには翡翠を取り囲むようにダイアモンドがセットされていて、バゲットカットが8石、ラウンドカットが10石ありました。
そこで私は、お嬢様が普段使いできるよう、シンプルでほんのりクールなリングを提案することに。とはいえ、「シンプル」の感覚は人それぞれなので、まずはきちんとイメージを聞くところから始めました。
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Q:「どんなリングが欲しいですか?」
A:「大学にも付けていけるもの。たくさんのリングと重ねづけできるデザイン。かわいいより、クールなのが好き。」 -
Q:「ラウンドとバゲット、どちらが好き?」
A:「バゲットカット!」(即答)
その瞬間、この子は本当にクールな女性なのだって感じました。そこでバゲットのみを使ったスリムなバンドタイプリングにしたら似合うはず、とサッとスケッチして提案したら…
「かっこいいです!これでお願いします」
と、その場でデザインが決まりました
メタル部分は、定番のプラチナではなく、ピンクゴールドを選択。
プラチナだとどうしても婚約指輪っぽく感じるけれど、ピンクゴールドなら若々しく、柔らかで可愛げもある印象になります。

完成です。どうでしょうか?

リングをはめて記念撮影。
「すごく綺麗!しかも指にぴったりで、落ちない。こんなにつけ心地の良いリング、初めて!」
と感激のコメントをもらえて、私も本当に嬉しかったです。
次の一歩へ
「次はお母様の翡翠のリングを作りますね」
「早く私のもして欲しい!」と、母娘ともにワクワク (笑)。
この親子のやりとりを眺めながら、次のデザインにも心を込めて取り組んでいます
作品詳細
使用宝石:ダイヤモンド・バゲットカット8石(お客様所有品)
使用貴金属:18Kピンクゴールド
アイテム:指輪(リング)
制作日数:約1ヶ月
デザイン・制作:眞栄田とも子